【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「本当に、飛んできちゃったんだ……。嘘みたい」
到着したのは、うちのベランダ。
ふり落とされなくてよかった。
寸止めくらわなくて本当によかった!!
……でも、待てよ。
ベランダに降ろされても困るわけで。
「そこの鍵、閉まってる」
この時間、家には誰もいない。
到着するなら玄関でしょ普通。
「案ずるな」
そう言って、セロがベランダの窓に手をふりかざすと――
カチ
――――ガラッ
「え? な、なんで?」
触れずに、窓があいた。
鍵だって自動的に開いたのだ。
「俺に、不可能はない」
なんだその中二キャラの台詞のようなものは。
そう言えば、屋上にも入れたよね。
あれも、セロの力だった?
鍵は、かかっていた。
だけど力で強行突破した。
そう考えると立入禁止の屋上に簡単に入れたことも府に落ちる。