【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「ちょ、ちょっと。勝手に入らないで……よ」


追い出したい。


でも、怖い。


「座り心地は、まぁまぁだな」


リビングのソファに深く腰かけて、大きく足を組むセロ。


タスク以外の男の子――そもそもに同級生をうちに入れたのは初めてだ。


変なの。


うちのリビングに、王子がいる。


しかも悪魔。


って!


革靴履いたままあがらないで!?


「土足ゲンキ――」

「こっちへ来い」

「ン、」


足が勝手にセロに向かう。


傍に寄りたくなんてないのに……!


望まないままにセロのとなりに座らされる。


というか


「近……すぎる」

「さっきまでこうしていただろう?」

「それは……。離れたら、落ちるから」


腕のなかに、すっぽりとおさめられてしまった。
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