【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「如月先生、は。大丈夫かな」

「なにがだ」

「3人も、運ぶの。大変だよ」

「あいつなら楽勝だろう」

「そうなの!? 上手くやっておくって言ってた……けど」


このままじゃ、セロが悪魔みたいに怖くて不思議な存在って噂が広まっちゃう。


「おおかた。あいつらが夢でも見たように、仕向けてくれるはずだ」

「そうなんだね」

「目を瞑れ」

「へ?」

「いいから瞑れ」


ポン、と頭に手を置かれる。


「な、なに……?」

「動くなよ。脳を溶かされたくなければ」

「っ」


頭が、アツい。


直射日光がジリジリと髪にあたっているような感覚。


「こんなものか」

「なに、が?」


頭に違和感を覚えたとき


「開けてみろ」

と言われ、ゆっくり瞼を開いた。
< 267 / 484 >

この作品をシェア

pagetop