【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「如月先生、は。大丈夫かな」
「なにがだ」
「3人も、運ぶの。大変だよ」
「あいつなら楽勝だろう」
「そうなの!? 上手くやっておくって言ってた……けど」
このままじゃ、セロが悪魔みたいに怖くて不思議な存在って噂が広まっちゃう。
「おおかた。あいつらが夢でも見たように、仕向けてくれるはずだ」
「そうなんだね」
「目を瞑れ」
「へ?」
「いいから瞑れ」
ポン、と頭に手を置かれる。
「な、なに……?」
「動くなよ。脳を溶かされたくなければ」
「っ」
頭が、アツい。
直射日光がジリジリと髪にあたっているような感覚。
「こんなものか」
「なに、が?」
頭に違和感を覚えたとき
「開けてみろ」
と言われ、ゆっくり瞼を開いた。