【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

まるで冒険にでも繰り出したみたいな。


ここは学校で、わたしは普通の高校生なのに。


あなたと出会ってから"日常"が"非日常"になった。


「勘違いするな」

「え?」

「俺は常に自分のために生きている。他人のために身を削るなど。ありえない」


本当に、そうなのかな。


「どれだけ俺の力が強くとも。使う気がない限りは存在しないも同然。ましてやヒトの幸せのためになど無駄な使いかたを選ぶものか」

「……わたしの髪。整えてくれたのは?」


自分でなんとかしろって放っておくこともできたでしょ。


「セロは人間のために力を使える。そういう、優しいところがある」

「それは貴様が貴様だからだ」


極上のエサには尽くすって言ってる?


「俺が言ったこと。忘れたとは言わせない」
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