【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
と、ここで一つ疑問が浮かぶ。


「ちゃんと食べてる?」

「なぜそんなことを聞く」


長かったわりに、意識を保っていられるから。


「今までとちがうなーって」


頭がふわっとして夢の中に落ちていかない。


「違って当たり前だ。食事は夜まで我慢しておくと決めているからな」

「ってことは、え。今の……は」

「口づけだ」


わたし、食事提供してるつもりで受け入れたのに……!


どうりでわたし、元気なわけだ。


……って。


「なんで」

「確認したいことがある」

「え?」

「もう一度するぞ」

「……っ」


頭のうしろに手がまわってきた。


「ダメ!」

「刹那」


ダメだよ、セロ。


こんな恋人みたいなキスは


「んっ……」


――――反則だ。
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