【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「歌いたかったの?」


そういうわけじゃ、ない。


わたしは雛との放課後デートを楽しみにしていた。


なのに、あなたに邪魔されて、ちょっと怒ってるんですよ!


……とは、言えない。


まさかこんな場所に来るとは思ってもみなかったから驚いているわけで。


落ち着かないわけで。


「おいおいリク。これからってときに寝るやつがいるか」


金髪さんは、ソファに沈み混むとまぶたをつむっていた。


とっくにわたし達への興味は薄れたようだ。

タクシーの中では寝ていたし。


「どう考えても、そのちんちくりん。慣れてない」


ちんちくりん?


「相手選んで声かけろっつーの」


ちんちくりん……って、わたしのこと?
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