【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


え……?


「ホテルにいた男は、無事だ」

「ほんと?」

「死ぬほど血を奪われてはいない。首の傷痕は、俺が消してきた。2人の記憶も多少イジっておいた。大きな騒ぎになることもないだろう」

「……ありがとう」


放っておくことだって、できたのに。


「そうすると、わたしが喜ぶと思った?」


問いかけに返事はないけれど

きっと、そうなんだってことが


「また無駄な力を使わせよって」


セロの拗ねたような顔を見ていれば、伝わってきた。


「次は、ないぞ」

「えっ……?」

「刹那から他の男の臭いが漂うなんてことがあれば。そのときは。俺が始末してきてやる」
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