【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「……黙れ」


セロの声が、急に、小さくなる。


「なんとなく、雛ってすごくいい香りがしそうだけど。そういう子でも。ダメなの?」

「煩い」

「え?」

「黙れといったら。黙れ」


なによ。

教えてくれてもいいでしょ。


悪魔の気持ちを少しでも理解したいというわたしの心遣いじゃん!


「ちょ、」


大きな翼を出し、わたしを抱えると

セロが宙へと舞い上がった。


なんでこう、突然飛ぶかなぁ……!?


わたし高いところ苦手なんだってば~!
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