【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「……な。刹那」
誰かが、わたしを呼んでいる。
「飲め」
のめ……? なにを?
――――ゴクン
「んっ……はあ」
目を覚まし、自分が息を荒くさせていることに気がつく。
ドクン ドクン
「あ……れ」
ここ、わたしの部屋だ。
もしかして。
またおかしな夢をみているの?
それともセロの作り出した幻?
「貴様は。つくづく、どんくさいな」
不機嫌なセロが、すぐ近くに座っていることに気がついた。
「え?」
「風呂でのぼせていた」
わたしが?
お風呂で?
「そういえば考え事をしていて……」
そこからの記憶がないぞ。