【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
薄明かりの部屋で食事のためのキスをされる。


体温が急上昇したこと

少し、痺れるような感覚


それらが普通のキスとは違うことを教えてくれた。


「美味しい?」

「ああ。ウマい」

「元気。でた?」

「そうだな」

「ねえ、セロ」

「なんだ」

「わたしの味が落ちたら。……それか。他にもっと美味しい"人間"を見つけたら。どうする?」


いらなくなる?

頻度は下がるけど食べに来る?


「はやく見つけて去れと言っているのか?」

「ちがっ……」

「生憎だが。もう貴様以上の味に出逢えるとは思っていない」


セロの返事に安心してしまうのは、どうしてなんだろう。


「そんなに珍しいんだね。わたし」

「おかしなことを言っていいか」
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