【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「……いつも言ってる」


最初からずっとセロは、おかしい。


「減らず口め」

「どっちが」

「刹那の味だけを求めていたい」

「……中毒症状、みたい」

「そうなのかもしれないな」


依存とは。ベツモノ……?


「愛だと言ったら信じるか」

「え?」

「俺にはわからない。愛がなにか。だから、言い切ることができないのだ」


そういうセロは、どこか、寂しそうで。


「ただ、そうでも言わないと。納得ができない」

「……納得?」

「食事以外の口づけがしたくなるのも。他の男に当たりが強くなってしまうのも。理性を飛ばしそうになるのも――我慢ができているのも。俺が刹那を愛してしまったといえば。説明がつくと思わないか」
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