【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「刹那、帰ろう」


ぞうきんで黒板をからぶきしているわたしの元へ、セロがやってきた。


「まだ、掃除中」

「他のやつにやらせればいい」


いやいやいや。


「ちゃんと自分でやるから」

「俺を待たせてまですることか?」

「すること!」

「ならば手伝ってやろう。刹那、チビだから届かないだろう?」


これは予想外の反応だ。


「……平気だよ?」

「いいから貸せ」

「でも、」

「なんだ」


あのね、セロ。


……みんな、見てる。


あなたは、いるだけで、注目度マックスなの!


「貴公子みたいな黒羽根くんも良かったけど」

「柚月さんを溺愛して豹変しちゃう黒羽根くんも」


「「超カッコイイよねぇ〜!!」」


俺様王子の評判は、絶好調みたい。

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