【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


って


うぇえええ!?


セロ、めっちゃ我門くん睨んでる!!


「あ、う、うん。どうしたの?」


睨まないで!

殺気を消して!


「平気なのか」

「……ヘイキ、って」

「昔から、苦手だったろ。ブランコとか、ジャングルジムでさえ」


――――へ?


「高いのも、速いのも。それとも克服した?」

「なんで、我門くん、そのこと……」


たしかにわたしは高所恐怖症だし。

未だにブランコだって、怖いけれど。


「まだ気づかないのかよ」

「……なに、に」

「まぁ、いい。あれだったら当日絶叫系の時は一緒にいてやるよ。1人だと。断りにくいだろ」

「え……あの……」

「あくまで俺の付き添いってことにしておけば感じ悪くねーだろ」

「待って。それで我門くんが空気読めないみたいになったら困るよ」

「元々そういうキャラだから。今更だろ。じゃあ、それだけ」


それだけって、え、我門くん?


まだ聞きたいことがありすぎて呼び止めようと思ったけど

隣に殺気を帯びた悪魔がいて、声がでなかったのは言うまでもない。
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