【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「……セロは、飛べるから。危険を回避する力があるから怖くないんだよ」
「しかし。その話を聞いている限りでは。少なくともグループ内の、貴様以外のやつらは。平気なのだろう?」
それもそうだね。
どうしてわたし、苦手なんだろう。
自分でもいやになりそう。
怖くなければいいだけの話だ。
でもね、セロ。
「誰にでも。得意なものと、そうじゃないものが……あるでしょ?」
そんなもの知るかって、怒る?
遠足なんてくだらないって言う?
「理解不能だ。俺にできないものは、人間にはできない。俺は人間より遥かに優れている。比べ物にならないくらいには」
わかってもらえない、か。
「手は。繋ぐなよ」