【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


セロの顔が、見られない。


沈黙が流れる。


呆れてる?


なんて面倒なこと言い出すんだって。


「……ごめん。やっぱり、今の――」

「刹那」


呼ばれて顔をあげると、セロが、そっぽを向いていた。


「同じことを考えていた」


――――え?


「俺も。刹那とまわりたい」

「……ほんとに?」

「解散後。すぐに俺のところに来い」

「っ、うん」


おかしいね。


悪魔と人間、なのに。


まったく一緒のこと考えていたなんて。


うれしいな。


……恋人って、いいな。


照れ気味にうつむくセロを見て、そう思わずにはいられない。
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