【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

ズルいよ。


優しさもない、愛も知らない悪魔なんて大嘘だ。


自分のことしか考えていないって言っていたのに。


「刹那に、もっとボクらを警戒して欲しくて、さっきみたいなこと言ったけど。人間界に大きな貢献をしているやつもいるからさ。みんながみんな悪者でもないかもね」


そうだよね。

わかり合えないわけじゃ、ない。


自分と違うだけで悪だと決めつけたくはない。


「わたしは。自分の目を信じるよ」


セロも雛も、怖くない。


「まあ。俺のような気高い悪魔は希だろうがな」

「ボクほど美しくチャーミングな吸血鬼も。あんまりいないね」


2人とこれからもいろんなこと共有していけるといいな。


「貴様が美しいだと？」

雛を睨む、セロ。


「セロのどこが気高いの」

意地悪っぽくセロをからかう雛。


……仲、悪く、ないよね？