【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
パレードが過ぎ去り、周囲が暗くなり
お客さんがエントランスに向かう中。
「わたしたちも、行こ――」
セロに、そっと、口づけをされた。
不意打ちすぎる。
「……食べ、ないの?」
「よくわかったな」
「我慢できなくなったのかと」
「できなくなった」
「いいよ。ちょっとなら……ここで食事しても」
「止めてくれないか」
「え?」
「俺が……暴走。してしまいそうになったら」
……ボウソウ?
「失いたくはない」
「……セロ?」
「どんどん強くなっていく」
「大丈夫、だよ」
「なにが」
「セロがわたしに酷いことするわけない」