【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
この高校で再会した、かつての友人は、すっかりたくましくなっていた。
「昼飯食った?」
「いいや」
「ちゃんと食えよ。そんなんで部活出られんのか」
「食うさ。腹がすけば」
「少し痩せたか」
「目ざといな」
「柚月のことでだろ」
どうしてあのとき
"彼女に……なりたいの"
あの子を受け入れなかったんだろうって。
後悔したときには、もう、手遅れだった。
黒羽根といる刹那は幸せそうで
俺の入る隙間なんて、残っていない。