【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


この高校で再会した、かつての友人は、すっかりたくましくなっていた。


「昼飯食った?」

「いいや」

「ちゃんと食えよ。そんなんで部活出られんのか」

「食うさ。腹がすけば」

「少し痩せたか」

「目ざといな」

「柚月のことでだろ」


どうしてあのとき


"彼女に……なりたいの"


あの子を受け入れなかったんだろうって。


後悔したときには、もう、手遅れだった。


黒羽根といる刹那は幸せそうで

俺の入る隙間なんて、残っていない。
< 462 / 484 >

この作品をシェア

pagetop