【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「待ってくれ、ユキト。さっきから。なんの話――」

「俺は止めようとしたんだ。だけど柚月は言った。信じている、と」

「……そういうやつだ。刹那は」

「きっと柚月は。黒羽根のすべてを受け入れる気でいる。だったら。見守るしかないのかもしれない」


――――黒羽根聖狼


お前が、憎い。


憎くて、仕方が、ない。


「本当に壊れたのか」

「は?」

「お前が柚月と築いてきたものは。簡単に、他人に壊されるようなものか?」

「それ……は」

「やけになるな」


そう言うと、ユキトは教室に入って行った。


その直後、


「わっ!? タスク……!」


あの子が、教室から出てきた。
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