【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「次、体育か」
「うん」
「そうか。頑張れよ」
刹那と別れ、歩きだしたとき。
『ボクが助けてあげようか』
――――?
『キミけっこう、いいやつだから。不幸になるのカワイソウだし。その対価は、しっかりもらうけどさ』
どこかから、そんな声が聞こえて
思わず振り返ったが
「……気のせいか」
そこには、
長い黒髪の少女の後ろ姿しかなかった。
助けなんて必要ない。
俺が今するべきことは、ひとつ。
「なんだ三浦。今から飯か」
「おう」
「もう授業始まんぞ」
「腹が減っては戦はできん」
刹那に余計な心配かけないこと、だな。
番外編②『壊』 完