【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「おもしろい。やはり貴様――俺のものになれ」

「やっ……め……」


男の手がわたしの胸元――左の鎖骨の少し下あたりを覆う。


手をあてられたその部分に、


「あつ……い」

「我慢しろ」


とてつもない熱が、生じる。


「これで貴様は今日から俺のエサだ」


――エサ?


そっと、男がわたしから手を離す。


さっきまでの荒さはない。


恐る恐る

熱くなった部分に視線をやる。


服が燃えたわけじゃないらしい。


あんなに熱くなったのだ。

皮膚を焼かれてしまったかと思った。


でも、制服は焦げても焼けてもいない。


「なにを……したの?」


顔をあげた瞬間、

信じられない光景を目の当たりにする。
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