【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
――――この人だ。
「刹那ほど美味いヒトを僕は知らない」
さっきの男は、
紛れもなく黒羽根先輩なのだ。
悪寒がする。
震えが、止まらない。
「わたし……を。食べ、る……?」
「うん」
殺されてしまう……!!
「一度に食べきるのは勿体ないから。毎日、少しずつ味わわせてもらうよ」
――少しずつ?
「手、とか。カラダ。バラバラに。して?」
「えー……。なにそれ。そんなサイコな趣味ないよ?」
目の前で起きたことも
黒羽根くんが言っている言葉の意味も
なにも、わからない。
それでもわたしに理解できることが、1つだけあった。
「ちゃんと僕の言うこと聞けたら、傷一つ、君には残らない」
黒羽根くんは
黒羽根聖狼という男は
人間では、ない。