【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「そう、ですか」
どうしてかな。
記憶が、曖昧だ。
頭を打ったり……したの?
なんだかすごく怖い夢を見たような気がする。
腕時計をチラっと見て、驚いた。
授業が終わり、掃除も終わり、そろそろ皆帰宅したり部活に出たりしている時間にさしかかっていたから。
「もうこんな時間……!」
「ぐっすり寝ていたわね。あなた昨日、ちゃんと家で眠らなかったの?」
「いえ、そんなことは……ないです」
「顔色。良くないわね。家の人に、迎えに来てもらう?」
「だ、大丈夫です!」
「そう? もう少し寝ていっても構わないわよ。なにかあったら声かけてね」
「はい、ありがとうございます」