【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「あら、三浦くん。柚月さんなら目を覚ましたんだけど。もう少し寝て帰るって」

「部活行く前に、様子見てこうと思って来たんですけど。寝てるならいいです」


間違いない。

そこにいるのは


「まだ起きてるんじゃない? 一番奥のベッドにいるわよ」


会いたい。

無性に、タスクに、会いたい。


急に押し寄せてきた、得体の知れない恐怖。


心のどよめき。


タスクの姿を一目見れば、それらが抑えられるような、そんな気がした。


なぜそう思うかはわからない。


頭が、痛い。


脳が揺れている。


それでも、ゆっくりと、身体を起こす。


そして口を開いた。


呼ぶんだ、彼の名を――
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