【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「うわぁぁあ!!」
「近づいてきたんだけど! 王子!!」
えー、こちら、柚月。
学園王子が、クラスメイトの三浦少年に接近してきた模様。
まわりの女の子たちの声が廊下に響き渡っています。
歩いているだけで、罪。
現場からは、以上です。
「それ」
王子が話しかけたのは、
「三浦にもらったの?」
タスクじゃなくて――わたしだった。
わたしが手に持つアメ玉を見て、黒羽根くんが、そう囁いたのだ。
「う、うん」
ここで速報が入りました。
なんということでしょう。
どうやら王子は三浦少年でなく、一般庶民に声をかけたとのことです。
……女の子たちが、平凡な少女を、恨めしそうに見ています。