Keeper.ll
第2章// 居場所を求めて
「薔薇の花って、なんか狂気じみてると思うわぁ。里ちゃんも、そう思わん?」
そう言って笑ったのは誰だっただろう。
忘れてしまったけれど、
そいつの中にある“それ”は
全体的には赤色なのに、所々白の部分があって。
その赤は
何かの液体の様に、
酷く滑(ぬめ)っているように見えた。
そいつの手の中にある“白薔薇”1輪からは、
噎(ム)せる様な
強い鉄の匂いがした
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