Keeper.ll
さっきまでの女子力の高いハイテンション状態がカップを置いた音を合図だと言うように纏う雰囲気が変わる。
「修行、始めましょうか。どのくらいの頻度で来れる?」
『週3……はどうですか?』
「ええいいわ。」
『でも抗争とかまた巻き込まれたら通えなくなるかもしれないです……』
「大丈夫よ。そんな情報、神龍のメンツが掴むより早く私の方が得られるもの。
予想は立てられるわ。通える時に来てくれたらいいわよ。」
『はい。』
飲み終わった紅茶のカップを置く。
「着いていらっしゃい。」
そう言われて希望さんの背中を追いかける。奥の部屋へと移ればそこは書斎。その本棚の中にある1冊の本。鍵の保管場所。
毎度毎度違う場所から取り出しているのを見るに、入れ替えているらしい。
そしてまた進む。書斎を抜けて地下へ降りる。広がるのは、
『……いつ見ても、広いですね。』
「まぁね。これくらいの広さがなきゃやってられないわ。」
広大な修行場。所々血が付いてるのが見える。ただの修行で付いた血か、はたまた情報を聞き出す時に拷問したものか。
余計なことを考えた自分に後悔する。