Keeper.ll
以外と色々なこと考えてるんだな。
『それは凄いな』
「里香ちゃんは戦いになると敵集中型になるの?」
『ん?』
「こう、目の前の敵だけ!みたいな感じになるの?」
「僕も知りたいな〜、りかちんがいつも何考えてるか!」
キラキラしたような目で見てくる千歩と、不思議そうな永富、あと若干期待を込めているような帯刀に苦笑する。
『うーん、特にこれといったものは。相手の動きを予測してそれを避けて攻撃して、みたいな。それの繰り返し。だいたい直感的かな。あと周りはあんまり見れてないかな。
さすがにこの前霧雨とやった時は街中だし気を使ったけど。あとは援軍が来そうかどうか、とか?逃がさないように確実に潰す。それくらいだよ。』
本当に色々なことを考えている訳でもない。つらつらと列挙していけば興味深そう顔で千歩が見ていた。
「特に考えることなく動けるって時点ですごいと思いますけど…」
『帯刀、なんでそんなに引いてるような顔をするんだ?』
「い!いえ…!あ、ほら里香さん!我らが総長が!」
「お!ついに!」
『仕方ない、誤魔化されよう。十勝の走りにはとても興味がある。』
バトンを綺麗に受け取って、軽やかに走る十勝はそれはそれは美しかった。