Keeper.ll
ゴールから少し遠かった私たちにはほとんど同時着のように見えた。
『今どっち?』
「龍くん!!!きっと龍くん!!」
『わ、信頼の圧がすごい。』
〈勝者、A組!!!〉
願うように手を握りしめていた私達は、それを崩し両手を上げて喜んだ。
「やった!」
『いったか!すごい!!』
「さすが総長!!」
テープを切ったのはほとんど同じように見えたが、僅差で十勝の勝利だったようだ。退場の時にこちらの近くを通った十勝御一行はしたり顔でピースをしていた。
後ろにいた女子は先程と同じように歓声を上げ倒れていた。
それから3年生のところはC組だった。結構僅差ではあるもののやはりまだA組が1番である。
「このままいけば圧勝じゃない?」
『僅差だけどね、圧勝ではない。でも優勝は見えてる。』
「やった〜!僕勝ちたい!やるからには勝ちたい!」
『それはわかる。』
そりゃぁ、誰だって勝てるものなら勝ちたいでしょう。