Keeper.ll
ニヤリと微笑んだ永富の意図を一瞬で理解する。千歩も数回瞬きした後、永富よりも悪どく笑った。
「もしかしたら総長と副総長を追い詰めるチャンスかもしれないもんね!」
「そう。僕は幹部だから狙われる側だけど反対にトップじゃないから狙う側でもあるんだよ〜。とっても楽しいよね?」
今にも鼻歌でも歌い出しそうだ。
『十勝にとっては防衛戦ね。』
「さしずめ僕達は挑戦者だ。」
そろそろ待機してください〜と言う呼び掛けが聞こえた。
ちらりと声が聞こえた方向を見る。不良が出ているのだから当たり前かもしれないが本当に髪の毛がカラフルだな……。あ、帯刀発見。ピンクのモヒカンと赤髪もいる。それにしても本当にクリスマスカラーだな……。
「残念、呼ばれちゃった。行ってくるね〜」
「行ってらっしゃい!頑張ってね!」
「僕だけを応援してくれる?」
「みんな応援してるよ!」
『ふられてやんの〜』
「残念〜。あ、そうだ、りかちん。」
『ん?』
「この競技、飛び込み参加は禁止だけど上手くやれば混ざれるよ。」
ウインクをした後こちらに手を振って去っていく姿を見た。
『あいつ、絶対に昔やったことあるわよね』
「うん、絶対に有罪だねあれは。」
私たちは顔を見合せため息をついたのだった。