Keeper.ll


*..*


連れていかれた場所は更衣室。男子の体操服とはいったがどちらかと言えば「喧嘩」という競技に参加する人が着る用の体操服である。

だから女の子が着てもいいし男の子が着てもいい。ただ男の方が割合的には多いよねという話だ。反対に喧嘩競技に参加しない人は参加しないようの体操着にしているということ。

千歩や先程までの私は参加していないから女子側の体操服だった。


「着替えた?」

外で待っていた希望さんの声がかかり慌てて更衣室の扉を開ける。


『お待たせしました。』

「……感想を述べるほどにはデザインは変わらないわね」

『そうですね』


上から順に私の姿を見た希望さんの一言である。ただ差し色が変わっただけの衣装チェンジで感想を求めるほど横暴ではない。


「強いて言うなら、里香ちゃんはブルーの方が締まった感じになるわね」

『ありがとうございます…?』


小首を傾げた私をよそに、ウィッグとアイシャドウパレットを準備し始める。


「これ、被って。」

『すごい、リアルなウィッグですね』

「最近はすごいのよ。…あんた印象意外と変わらないわね」

『まだ髪の毛が短くなっただけですからね。』

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