Keeper.ll
夜。倉庫について木をよじ登る。手を伸ばして窓を開けたら飛び移る。
床にクッションを置いていたので足音を立てずに済んだ。多分バレてない……。
リュックを置いたところで気がつく。
……人の気配?なんで?こんな深夜なのに?
誰か起きたのかな。
とりあえず窓を閉めて雑に布団の中へと入り込む。だってどこか行ってたのがバレたら「何しにいってたの?」って問い詰められそうだし。
コソコソ動いてるってことは裏切り者じゃないか、って疑われても嫌だし。
あ、人がいなくなったみたい。誰だったんだろ。まぁ、いいや。帰ってきたってことがバレなければあとは適当にごまかせる。
ひとまず風呂へ入ろうと思い服を用意する。
ガチャり、と扉を開けて階段と反対側の風呂へと向かう。
ああ、ちなみに希望さんはほんとに化粧水やら乳液を持たせてくれた。今日から使いたいと思う……。だって次行った時に使ってないのバレたらまた確実に怒られるもん。
温かなシャワーから出て大体の傷口を確認しながら保湿して服を着る。……消毒液とかあったかな。軽い切り傷ならそのままで治るか?
血が着いたところを軽くゆすいでから、明日の朝に洗濯機を回そうと思い洗面所から出たところで。
「あれ?紫陽、風呂入ってなかったのか?」
『相澤こそ、どうしたの?こんな時間に……。』
相澤と出くわした。