Keeper.ll
『あ、そうだ、ねぇ、種目の喧嘩って何?』
その言葉に先輩にあたる3人組がそれぞれ顔を合わせる。そしてこっちを一気に見る。バッて効果音が付きそうな勢い。
「説明受けなかったの?」
『受けたには受けたけど……。
・重症負わせない
・AとCクラスでやりたい人がやるアクションバトル?みたいな感じって。』
「そうそう、そんな感じ。俺達も出るよ。」
『へー。何を持って勝ちとするの?』
「うーん、手当り次第に適当に喧嘩売ってって、殴られたり蹴られたら……少しでも相手の攻撃が当たったら退場。安全面には配慮してるよ。」
『配慮なんてしてたらそんな競技ないでしょ』
「まーまー。去年はうちのとこの総長が優勝をとったって聞いたな……。」
うちのとこの総長……、チラリ、と十勝の方を見れば十勝は片眉を上げた。
「俺じゃない。俺去年は幹部だったし。総長も副総長も俺たちの2個うえの人でな。もう卒業しちまったよ。」
『そっか』
残念。その総長を少し見て見たかったな。
「それで?」
時友の声が続く。
『ん?』
「あまり勧めはしないけど、出ようと思えばこの競技女の子も出ることができるんだよ。」
ニコリ、と笑った時友の表情は少しだけ怖かった。冷たい、感じがした。あれ?私まだ信頼されてない……?