Keeper.ll
『いえ、出ませんよ。』
その言葉になんでと詰め寄られる。いやそんな事言われてもなぁ……。
「里香ちゃんの圧勝で終わるじゃない!!」
『それじゃダメですよ。一応星ヶ丘を取り仕切っているのは十勝龍喜が率いる暴走族神龍で。
確かに私は強いけどその幹部たちの前ではそれなりの強さを演じているんです。だから変装もしないで出て幹部たち倒したりなんてしたらとんでもないでしょう!?
それにメンバーの中に心配してくれてる人がいるんですよ。下手に怪我したら危ないだろう、って。』
普通の女子高生……ちょっと喧嘩のできる女子高生が男を吹っ飛ばしていいはずがないのだ。
しかも、暴走族の総長が相手なら尚更。
「なら、里香ちゃんも今言った通り変装すればいいじゃない?」
『……変装』
確か昼に十勝も同じようなこと言ってたな。なんだっけ、男装すればいいみたいなこと。そんなことが簡単に出来るか!!
「ねぇ里香ちゃん。貴方が喧嘩に出るなら私がメイクしてあげるわ!カツラもあるし!
まぁ出ないなら出ないで別に構わないけれどね。相手が弱くて実戦経験は詰めなさそうだし。」
『いやさすがに男の人が大量に襲ってきたら私でも疲れますよ?何言ってるんですか?私をなんだと思ってるんですか!』
びっくりなんだけど。1体1だったとしたら、一人一人は弱いから確かに強くなるための実戦経験には足りないかもしれないけれど。
でも大量にかかってこられたとしたら体力を鍛えることは出来る……ってなんで鍛える方向になってるんだよ!おかしいでしょ!!