Keeper.ll
『私、そんなに活躍できるか分かりませんよ。』
「あら、自信ないの?」
意外だとでも言うように目を開いた彼は、優しく笑った。
『自信っていうか……、、』
「楽しいわ、きっと。」
どことなく逸らしていた目を、合わせる。
「みんなでひとつの目標に沿って打ち込むことを青春って呼ぶんじゃない?
きっと、楽しいわ。みんなで汗だくになって勝利を掴むのも、ね。」
そう言った希望さんは穏やかだった雰囲気を、いきなり変える。
「そろそろ、再開しましょうか?」
にこり、と笑ったはずの笑顔はニタリの方があっているんじゃないかと言いたくなるほどに凶悪な笑みだった。
『……、ありがとうございました……、はぁ。』
「はぁいお疲れぇ〜。」
こっちは息を乱しているというのに希望さんは息どころか服装も乱れない。
そのまま地下室を出て、店へと戻る希望さんについて行く。
「ああ、そうだ。里香ちゃん、お茶していきなさい。」
『……はい?分かり、ました。』
真面目な顔に恐怖を感じる。お茶していかない?ではなく命令形だ。
この人の職業を考えれば、何かあったのだろうか?と思うことは当たり前だ。嫌な予感がするのは私の考えすぎだろうか。