Keeper.ll




そう、相澤が言っていたのは覚えている。確か面倒くさがっていた気がするが。

でも時友は何も……。


「そう、今日になって1人足りなかったことに気がついたらしくて。龍喜でも良かったんだけど、あいつは選抜リレーもあるしね。」


「おう、俺が推薦したんだ。」


ビシッと自分のことを親指で指す相澤。金髪の髪が陽の光でチカチカと輝いていて、とても綺麗ではある。


「凄いねぇ!大きな声とか出すの?」


「まぁ、応援団だから一応な。でも会ってないようなもんだな。中学の時とは違って応援合戦みたいな物もやんねぇしな。赤組が種目やってる時の応援係だな。」


「そっかぁ。」


『暑い中大変そうだね。』


特に何も思わずに言ったことだがリアルに想像をしたのだろう、相澤は顔を顰めた。時友も苦笑している。


『それで、衣装合わせをしてた、のかな?』


話を変える。自分のせいで空気悪くなっちゃったし。

「そうだね。サイズとかの確認も込めてね。」


「へー!!賑やかになりそうだねぇ。楽しみだなぁ!」


ニコニコと笑った千歩。体育祭は楽しみだ。だけど少し怖い。だって希望さん応援に来る、みたいなこと言ってたし。

……それに、ね。


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