カッコウ Ⅱ
悠翔は父のいない生活に、すぐに馴染んでいった。

あまり孝明の記憶がなかったから。

祖父や哲也を父親代わりだと思えた。

だから悠翔は明るいと大翔は思う。
 


大翔はずっと孝明を待っていた。

祖父や哲也がどんなに優しくしてくれても、孝明の代わりにはなれなかった。

孝明を待ち続ける大翔は、どこか寂し気な少年だった。
 


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