カッコウ Ⅱ
「遠かっただろう。迷わなかった?」

孝明に促されて歩きながら、少しずつ話す。
 
「大丈夫。でも、すごい都会だね。うちの方とは全然違うよ。」

10年も会っていないことが嘘のように、大翔は昨日の続きのように自然に話していた。
 
「お父さん、あれから再婚したんだ。」

孝明の言葉に、
 
「うん。哲ちゃんから聞いたよ。女の子がいるって。」

と大翔は言う。
 
「娘が二人。大翔の妹だよ。」

孝明は優しく言う。
 
「何才?」

大翔は妹という言葉に驚いて、孝明を見つめて聞く。
 
「8才と6才。生意気だよ。」

孝明は自然に答える。
 

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