カッコウ Ⅱ
部屋の前で
 
「ただいま。」

と孝明がドアを開けると、女の子が二人、玄関に走ってきた。
 
「パパ。お帰り。」

と言って。孝明の後ろにいる大翔を覗き込む。
 
「こんにちは。」

大翔が言うと、二人ともニコッと笑って、
 
「こんにちは。」

と答えた。子供達の後から出迎えた麻美は、
 
「こんにちは。どうぞ上がって。」

と優しい笑顔を大翔に向ける。

初めて来た家で、初対面の人達。

でも孝明の家族というだけで、大翔はすぐに好意を持った。
 
 


通されたリビングは、心地よく片付いていた。

大翔と向かい合って座った孝明に、ひとみが寄り添う。

めぐみは、麻美の影から恥ずかしそうに大翔を見ている。
 

「ちゃんと挨拶しないと。」孝明が促すと
 
「佐山ひとみです。」「佐山めぐみです。」

と順番に言う。大翔が笑いながら、
 
「佐山大翔です。」

と言うと、二人は楽しそうにケラケラ笑った。
 


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