カッコウ Ⅱ
大翔が学校から帰ると、家には祖父母しかいない。

みどりはずっと、正社員で働いている。

職場は大宮だから、帰りは毎日7時頃だった。

悠翔はサッカーに夢中で、暗くなるまで練習をしている。
 


「ヒロ、冷蔵庫にスイカがあるよ。」

祖母が大翔に声をかける。
 
「へえ。もうスイカ?早いね。」

夕食の準備をする祖母の近くで、大翔はスイカを食べ始める。
 
「山田さんにもらったの。珍しいから、ヒロ達にって。」

祖母はご近所の名前を言う。
 
「うまいよ。ねえ、祖母ちゃん。お父さんとお母さん、何で離婚したの?」

大翔は思い切って聞いてみる。
 
「何よ、急に。よく知らないけど、色々あったんじゃないの。」

祖母は、包丁を使っていた手を止めて、大翔の方を向く。
 
「お母さん、再婚しないのかな。」

大翔の言葉に、祖母は驚いた顔をする。
 
「まさか。何かあったの?」
 
「ううん。お母さん、まだ若いから。」

大翔は曖昧に答えた。

 


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