カッコウ Ⅱ
哲也 4
孝明に会ったことは大翔を救った。

自分の出生を知ったショックは大きい。

まだ笑って話せるほど吹っ切れてはいないけれど。

でもその現実と自分の人間性を、分けて考えることができるくらい立ち直っていた。
 


「哲ちゃん、本当にありがとう。俺、お父さんに会えて良かった。」

孝明の家から帰った大翔は、哲也にお礼を言った。
 
「そうか。よかった。」

哲也もホッとして笑顔になる。

大翔の晴々した顔は、哲也に孝明の親の力を痛感させた。
 


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