カッコウ Ⅱ
孝明の家族と旅行に行って、帰った大翔の目は前向きな光で輝いていた。
 
「これから、勉強頑張らないと。俺、お父さんの大学、目指すから。」

と明るく大翔は言った。
 
「すごいな。合格したら町中で有名になるよ。」

哲也が驚いた顔で言うと、
 
「哲ちゃん、大げさだな。うちの高校からも毎年合格しているよ。」

と大翔は笑った。
 
「そうか。俺、勉強苦手だから。名前だけでもビビっちゃうよ。」

と言う哲也に、
 
「大学生になったら、美紀に勉強教えてあげるよ。」

と大翔は得意気な顔で言った。
 


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