カッコウ Ⅱ
日曜の朝、求人誌を見ているみどりに
 
「お母さん、転職するの?」

と大翔が聞いてきた。
 
「うん。祖父ちゃん達も年だし。もう少し近くの方がいいかなと思って。でも、この辺あまり仕事ないね。」

とみどりは答えた。
 
「やみくもに探さないで、何か資格取ったら。」

大翔の言葉にみどりは驚く。
 
「そうか。でも今から勉強するの?」

不安な顔でみどりが聞き返すと、
 
「簡単に取れるのもあるでしょう。」と大翔は笑った。

大翔に触発されて医療事務の試験を受ける決心をしたみどり。

自分も前に進まなければという思いが、みどりを動かした。
 

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