カッコウ Ⅱ
だから哲也から、孝明の子供の写真を見せられた時、みどりは胸を強く打たれたようなショックを受けた。
 
孝明は子煩悩だった。

よく子供の世話をしてくれた。

きっと今、孝明はこの子を可愛がっているのだろう。

自分が傷付けた孝明の幸せをみどりは喜べない。

自分だけが理不尽に苦労しているような思いに駆られていた。
 
もう孝明を待っていても仕方ない。

前を向かなければいけない。

みどりは自分が置き去りにされたような寂しさと戦っていた。
 
 



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