カッコウ Ⅱ
就職して3年目。大翔は中学に入学した。

入学式は休暇を取ってみどりも参列した。

翌日は、会社を出る時間がいつもより少し遅くなってしまった。
 
運命のいたずらは、そんな偶然が連れて来る。

駅に向かう途中で、みどりは茂樹と再会した。
 

「大谷先生。」


すれ違い様、茂樹に気付いたみどりは、思わす声をかけていた。
 
「えっ。みどり?」

怪訝な顔で振向いた茂樹は、すぐにみどりに気付いて驚いた顔をした。

あの頃よりも少し太って白髪が増えた茂樹。

その顔は驚くほど大翔に似ていた。
 


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