カッコウ Ⅱ
「お久しぶりです。」

人の波から外れて立ち止まる二人。
 
「こんな所で何しているの?」

懐かしい笑顔を向けられてみどりの胸は高鳴る。
 
「仕事です。私、離婚して。」

みどりがそこまで言うと、
 
「えっ。ちょっとお茶飲もうか。立ち話しもなんだから。」

と茂樹は軽くみどりの背を押す。

孝明と別れて6年。

誰にも触れられなかった体は怖いほど熱くなる。


向かい合ったティールームで近況を話す。
 
大翔のことが原因で離婚したと言わなかったみどり。

ずるい茂樹は気付いていても知らないふりをする。
 

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