カッコウ Ⅱ
「今度、ゆっくり食事でもしようよ。」

茂樹はみどりを熱く見つめた。
 
「私、今子供達と実家に住んでいるから。夜は出かけられません。」

とみどりは答えた。
 
「俺、火曜の午後は授業がないから。ゆっくり会えるよ。」

と茂樹は言った。唇を噛んでみどりは俯く。
 
「みどり、時間取れる?」

茂樹はみどりが断らないことを知っている。

みどりは小さく頷いて、
 
「半休が取れるから。」と言ってしまう。

茂樹は優し気に微笑んで、
 
「みどりは変わらないな。相変らず綺麗だよ。」と囁いた。

みどりの胸は妖しくときめいていた。

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