カッコウ Ⅱ
大翔 3
翌週の木曜日、みどりは一人だった。

大翔には全く気付かずに、家に帰って行く。

大翔はそっと後を追った。
 


次の木曜日も大翔はみどりを待った。

来週から期末テストが始まる。

今日みどりが一人だったなら、もうやめようと大翔は思っていた。
 

みどりと一緒にいた男性は、本当に孝明なのだろうか。

大翔はまだ半信半疑だった。

それに二人が必ず木曜日に会っているとは限らない。
 

正典に煽られて、つい待ち伏せしているけれど、そんなに上手く会えるはずがない。

大宮までの電車代も馬鹿にならないし。

大翔は諦めながら柱の陰に立っていた。
 


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