カッコウ Ⅱ
「何だよ。逃げる気?」

そう言って一歩茂樹に詰め寄る大翔。
 
「アンタ誰だよ。俺の何なんだよ。俺見て何も感じない?こんなに似ているのに。何も感じないなら、おかしいんじゃないの。」

大翔は一気に言うと肩で大きく息をした。
 
「馬鹿みたいだ。やってられないよ。」

と吐き捨てるように言い、二人に背を向けて駆け出した。
 

「ヒロ。」

みどりが呼ぶ声を背中で聞きながら、大翔は二人を残して走り去った。
 
 

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