カッコウ Ⅱ
大翔の心に孝明の笑顔が浮かんで涙が出そうになる。


孝明に会いたい。


大翔は切実に思っていた。

孝明に説明してほしい。小さな頃のように、大翔がわかるまで丁寧に話してほしい。
 

涙で視界が曇る大翔。

手にしていた参考書を棚に戻すと店を出た。

取りあえず帰ろう。

今日は哲也の家に泊まろう。

みどりにはどうしても会いたくないから。

哲也の家で、もう一度考えよう。大翔は静かに歩きだした。
 
 
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